就職・転職活動の面接で、最近のニュースについて質問される場合があります。私はプライム上場メーカー企業で7年以上採用業務に関わり、これまで1,000人以上の方を面接してきました。この記事は、面接に関して次のような経験や不安を抱えている方におすすめです。
- 面接で最近のニュースについて聞かれて焦った経験がある
- どのようなニュースを選べばいいか迷っている
- ニュースについて自分の意見をうまく伝えられるか不安がある
面接で最近のニュースについて聞かれた際は、志望業界に関連するニュースを選び、自分の意見を交えて回答しましょう。結論を先に述べ、ニュースの概要を簡潔に説明した後、自分の考えを述べると効果的です。記事を読めば、面接官に好印象を与える回答ができるようになり、自信を持って面接に臨めます。
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面接で最近のニュースについて聞かれる理由

企業は社会情勢に敏感な人材を求めており、質問で応募者を多角的に評価しようとしています。具体的な目的は、以下のとおりです。
- 情報感度を図るため
- 感性や価値観を知るため
- 社会問題に対する意識を図るため
情報感度を図るため
面接官が最近のニュースについて質問するのは、応募者の情報感度を測るためです。情報感度は面接において重要な評価ポイントの1つで、応募者の情報収集能力や時事問題への関心度を把握できます。単に知識を問うのではなく、社会動向に対する理解度や批判的思考力、分析力の見極めが可能です。
最近のニュースに対する回答により、具体的に次の点を評価されます。
- コミュニケーション能力
- 知的好奇心
- 自己啓発への意欲
- 業界や企業への関心度
- 多角的な視点を持っているかどうか
- 情報の取捨選択能力
- 感性や価値観
- 社会問題に対する意識
最近のニュースに関する質問は、面接官にとって、応募者の多面的な能力や資質を評価できる重要なツールです。
感性や価値観を知るため

面接官にとって応募者の感性や価値観を知ることは、人となりを深く理解するために重要なポイントです。具体的には、応募者の倫理観や価値観、社会問題への関心、時事問題の考え方、批判的思考能力、分析力などを確認できます。
感性や価値観は、応募者が企業文化に適合するか判断をする際に重要です。長期的な視点や将来展望を持っているかもわかります。面接官は応募者の答えを通じて、コミュニケーション能力や表現力も見ています。
ニュースに対する意見を述べる際の論理性や説得力は、仕事の能力を推測する重要な判断材料です。感性や価値観は、応募者の総合的な評価に大きく貢献します。
社会問題に対する意識を図るため
社会問題に対する意識を図ることは、企業にとって重要な採用基準の1つです。応募者が社会の課題にどれだけ関心を持ち、理解しているかを確認できるからです。具体的には、以下のような点を評価できます。
- 時事問題に対する理解力
- 社会貢献への意識や姿勢
- 批判的思考能力や問題解決能力
- 企業の社会的責任(CSR)に対する認識
- 多様性や包括性に関する意識
- 環境問題や持続可能性への関心
上記の点の確認で、応募者が社会の一員としての自覚を持ち、企業の価値観と合致するかを判断できます。グローバル化が進む現代では、国際的な視点も重要です。世界規模の問題に対する関心や理解力も、企業にとって魅力的な要素となります。
社会問題に対する意識を持つことは、単に採用されるためだけでなく、社会人として成長していくうえでも大切です。日頃からニュースに触れ、社会の動きに関心を持つ習慣をつけましょう。
面接で話す最近のニュースを選ぶ基準

面接で話す最近のニュースを選ぶ際には、いくつかの基準があります。以下のポイントを意識すると、面接官に好印象を与えられます。
- 1年以内のニュースを選ぶ
- 信頼できる情報源から選ぶ
- 志望する企業や業界に関する内容を選ぶ
- 自分の意見や考えを述べやすいニュースを選ぶ
1年以内のニュースを選ぶ
面接で話す最近のニュースを選ぶ際は、最新情報への感度や社会変化への理解を示すため、1年以内の出来事を選びましょう。具体的には、以下のような点に注意して選んでください。
- 面接日から1年以内の出来事
- 最新のトレンドや社会の変化を反映
- 長期的な影響力のある出来事
季節性や一過性の話題は避け、継続的に議論されているニュースがおすすめです。面接時期に適したニュースを選ぶことも重要です。たとえば、年末であれば年間総括的なニュースが適しています。志望業界や企業に関連するニュースを優先すると、業界への関心や理解を示しやすいです。
自分の意見や考えを述べやすいニュースを選ぶと、面接官との対話がスムーズになります。面接官との共通の話題になりやすいニュースを選択すると、コミュニケーション力をアピールできます。適切なニュースを選び、面接での印象を良くしましょう。
信頼できる情報源から選ぶ

最近のニュースを選ぶときは、信頼できる情報源から選ぶことが大切です。大手新聞社や公共放送を参照しましょう。大手新聞社や公共放送などの情報源は、事実確認を徹底して行っているので、信頼性が高いです。政府機関や研究機関の公式発表は、専門家によって裏付けられていることが多いため信頼できます。
複数の情報源で事実関係をクロスチェックすると、より正確な情報を得られます。1つの情報源だけでなく、複数の視点からの確認が重要です。信頼性の高い情報を得るためには、専門家や有識者の見解を含む記事を選ぶのも有効です。
誤った情報に惑わされないために、ファクトチェック済みの情報を優先しましょう。信頼できるファクトチェック機関によって確認された情報を選ぶと安心です。以下のような点にも注意を払うと、より信頼性の高い情報を選べます。
- 一次情報源や原典
- 中立的な報道
- SNSやブログに偏重しない
- 統計データや調査結果
- 国際的に評価の高いメディア
上記の点に注意して情報源を選ぶと、面接で自信を持って最近のニュースについて話せます。信頼性の高い情報をもとに、自分の意見を適切に伝えましょう。
志望する企業や業界に関する内容を選ぶ
志望する企業や業界に関するニュースを選ぶと、面接官に強い印象を与えられます。志望する企業や業界への関心を示せるだけでなく、業界の知識や理解度をアピールできるからです。業界の知識や理解度をアピールするには、以下のポイントを挙げると効果的です。
- 企業の最新の取り組みや成果
- 業界全体のトレンドや動向
- 競合他社の動き
- 関連する法改正や規制の変更
具体的には、以下のような内容のニュースをおすすめします。
- 技術革新や新製品・サービスの情報
- 市場動向や経済指標
- 企業の社会貢献活動や環境への取り組み
上記のニュースを選ぶと、志望企業や業界に対する理解の深さをアピールできます。単にニュースの内容を伝えるだけでは不十分なので注意しましょう。自分の考えや、意見を述べられるように準備します。
自分の意見や考えを述べやすいニュースを選ぶ

自分の意見や考えを述べやすいニュースを選ぶと、面接官とのコミュニケーションを深めやすいです。自分の価値観や考え方が表現しやすい内容を選びましょう。複数の視点から考察できるテーマや、社会的影響が大きく議論の余地がある話題が適しています。
具体的には、以下の特徴を持つニュースがおすすめです。
- 自分の経験や知識と関連付けられる
- 具体的な解決策や改善案を提案できる
- 業界や企業の方針と関連付けて考えられる
- 将来の展望や予測を述べやすい
- 自分の強みや関心事と結びつけられる
上記のようなニュースを選ぶと、客観的な事実と主観的な意見を分けて述べやすくなります。面接官との建設的な対話につながる可能性も高くなるため、ぜひ参考にしてください。
面接で答える際に避けるべき最近のニュース

面接で最近のニュースに答える際、面接官に悪印象を与えたり、不適切な話題を持ち出したりしないよう注意が必要です。具体的には、以下のニュースを避けるべきです。
- 芸能関係のニュース
- 個人的なニュース
- 宗教や政治関係のニュース
適切なニュースを選ぶと、自分の考えや社会への関心をアピールできます。志望企業や業界に関連する建設的なニュースを選んで話しましょう。
芸能関係のニュース
以下のような芸能関係のニュースは面接で話すべきではありません。一般的に、企業が求める人材像と関連性が低いためです。
- 人気アイドルグループの動向
- 有名俳優・女優の報道
- 芸能人のスキャンダル
上記の話題は、仕事や社会問題とは直接的な関係がないので、面接官にとって適切な話題とは言えません。芸能ニュースの中でも、社会的影響力のある内容や業界全体のトレンドを反映するものなら、可能なケースもあります。芸能ニュースを話す場合は、慎重に話題を選びましょう。
面接時に芸能ニュースを話して問題ないケースとしては、以下が挙げられます。
- エンターテインメント業界のデジタル化
- 配信サービスの台頭による映画産業への影響
面接では、自分の専門性や志望業界に関連するニュース、社会問題、経済動向に関するニュースを選びましょう。面接官に自分の見識や関心事を効果的にアピールできます。
個人的なニュース

個人的なニュースは、面接での話題としてはふさわしくありません。企業が求める人材の適性を判断するのに役立たないからです。具体的には、以下のような個人的なニュースは避けてください。
- 個人の結婚や離婚
- 有名人の不倫や交際
- 芸能人の引退や復帰
- スポーツ選手の移籍や引退
- タレントのSNSでの発言
上記のニュースは、社会的な影響力が限定的で、企業の事業や社会問題との関連性が薄いです。面接官は、応募者の社会への関心や分析力を見たいので、個人的なニュースは適切とは言えません。
代わりに、国内外の社会問題や経済動向、技術革新に関するニュースがおすすめです。企業活動や社会全体に影響を与える可能性が高いためです。
宗教や政治関係のニュース
宗教や政治に関するニュースを、面接の話題にするのは避けましょう。宗教や政治に関する話題は個人的な意見が対立しやすいからです。話題を取り上げるのを控えたほうが良い具体例は、以下のとおりです。
- 特定の政党や政治家を支持する内容
- 宗教団体の活動や信者数の変動
- 宗教間の対立や論争
- 政治資金の不正疑惑
- 宗教法人の税制問題
上記の話題は、面接官の価値観や信念と対立する可能性があります。採用に直接関係のない個人的な見解を求められる恐れもあります。
志望業界に関連するニュースや社会問題、技術革新などの中立的なテーマがおすすめです。志望業界の話題なら自分の考えを述べやすく、面接官との建設的な対話につながります。中立的なテーマを選ぶと、自分の考えを適切に表現しつつ、面接官との良好なコミュニケーションを図れます。
最近のニュースに関する面接での回答例

面接で最近のニュースについて聞かれた際は、自分の興味や志望業界に沿って選び、自分の考えを交えながら回答しましょう。以下のニュースについて、回答例を紹介します。
- 国内の社会問題に関するニュース
- 国際問題に関するニュース
- 志望業界に関連するニュース
- 技術革新や経済動向に関するニュース
国内の社会問題に関するニュース
国内の社会問題に関するニュースは、面接官に自分の社会への関心や問題意識を示せるチャンスです。最近の日本社会が直面している課題について話すと、応募者の視野の広さや分析力をアピールできます。
たとえば、国内の社会問題に関するニュースとして、少子高齢化の進行や人口減少問題を取り上げられます。この問題は日本の将来に大きな影響を与える重要な課題です。具体的には以下のような点に触れて話しましょう。
- 労働力人口の減少
- 社会保障制度の持続可能性
- 地方の過疎化
働き方改革と長時間労働の是正についての考えは、日本の労働環境を改善し、生産性向上につながる重要な施策です。デジタル化推進と行政のDXも注目されています。新型コロナウイルス感染症の影響で、行政サービスのオンライン化の必要性が高まっているためです。
上記の社会問題に対する自分の考えや、解決に向けたアイデアを述べると、面接官に好印象を与えられます。センシティブな話題は避け、建設的な議論ができるトピックを選びましょう。
国際問題に関するニュース

国際問題に関するニュースは、面接官に自分の視野の広さや社会への関心を示すのに適しています。最近の重要な国際問題としては、ウクライナ紛争や中東情勢の緊張、気候変動対策などが挙げられます。
ウクライナ紛争については、以下のように述べることが可能です。
- 国際問題に関するニュース(ウクライナ紛争)回答例
- ウクライナ紛争の長期化が世界経済に与える影響に関心を持っています。紛争により、エネルギー価格の高騰や食糧危機が起きているのが現状です。世界的なインフレーションや途上国の食糧不足、国際秩序の不安定化の3つが気になっています。問題を解決するには、国際社会の協調した取り組みが不可欠だと考えます。
事例を挙げながら自分の考えを述べると、面接官に好印象を与えることが可能です。政治的に偏った意見は避け、客観的な視点を保ちましょう。
志望業界に関連するニュース
自動車業界では、電動化の加速が大きなトレンドです。多くの自動車メーカーがEV(電気自動車)の開発と生産に力を入れています。電動化の加速の背景には、地球温暖化対策としてのCO2排出量削減や、各国政府による規制強化があります。
自動車メーカーは、課題に対応しながらEVの普及を進めていかなければなりません。課題とは、半導体不足による生産への影響や、充電インフラの整備の遅れなどです。自動車メーカーは課題への取り組みとして、以下を行っています。
- EVモデルのラインナップ拡充
- バッテリー技術の向上
- 充電インフラの整備
電動化の動きは、自動車業界全体に大きな変革をもたらしています。従来のガソリン車中心のビジネスモデルから、EVを軸とした新たなモビリティサービスへ、業界は発展の途上です。
技術革新や経済動向に関するニュース

AIによる画像生成技術の進化や自動運転車の実用化など、技術革新が急速に進んでいます。技術革新は私たちの生活や社会に大きな影響を与える可能性が高いです。経済面では、再生可能エネルギーの普及や5G通信の展開が進んでいます。
技術革新は新たなビジネスチャンスを生み出し、産業構造の変革をもたらす可能性が高いです。具体的な例として、以下のような技術革新や経済動向が注目されています。
- 量子コンピューティング
- ブロックチェーン技術
- 半導体不足解消
- メタバース
上記の技術革新や経済動向は、私たちの生活や仕事のあり方を大きく変える可能性があります。動向に注目し、自分なりの意見を持っておきましょう。
面接で最近のニュースに関する意見を話すコツ

面接で、最近のニュースに関する意見を話す場合、以下のポイントを守ることが重要です。
- 結論を先に述べる
- ニュースの概要を簡潔に説明する
- 興味を持った理由を伝える
- 自分の意見や考えを述べる
上記を意識して練習すると、自然に考えを伝えられるようになります。
» 面接の練習方法を解説
結論を先に述べる
面接で最近のニュースを話す際は、結論を先に述べることが重要です。面接官に明確な印象を与え、自信と準備ができていることをアピールできます。結論を先に述べる方法には、いくつかのメリットがあります。面接官は短時間で多くの情報を得たいと考えているので、簡潔かつ論理的で要点を押さえた回答は高評価です。
時間を効率的に使えるメリットもあります。結論を先に述べると、残りの時間で詳細な説明や具体例の提示が可能です。面接官の理解を促進し、より深い議論につながる可能性もあります。結論を先に示すと、面接官は質問の意図に沿った回答かどうか即座に判断できます。
結論を先に述べることは、面接での回答において効果的な方法です。面接では、結論から話せるよう準備して挑みましょう。
ニュースの概要を簡潔に説明する

ニュースの概要を簡潔に説明することは大切です。説明する際は、5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)を意識しましょう。ニュースの重要なポイントを漏らさず伝えられます。具体的には、以下のような点に注意して説明しましょう。
- 客観的な事実を中心に述べる
- 専門用語を避けて、わかりやすい言葉で説明する
- 1〜2分程度で説明できるよう、重要なポイントに絞る
簡潔な説明で面接官に自分の情報把握力と説明力をアピールできます。ニュースの概要を適切に伝えることは、面接での印象を大きく左右します。
興味を持った理由を伝える
最近のニュースに興味を持った理由を伝えることは、面接官に自分の考え方や価値観を示すチャンスです。興味を持った理由を明確に説明できると、自分の思考プロセスや問題意識を伝えられます。具体的には、以下のような点を意識して興味を持った理由を伝えると効果的です。
- 社会への影響や重要性
- 自分の経験や価値観との関連性
- 業界や企業への影響
上記の点を踏まえて、自分なりの視点や考察を交えながら興味を持った理由を説明すると、面接官に好印象を与えられます。
個人的な感想だけにならないよう、客観的な視点も忘れずに伝えましょう。自分の考えを適切に表現しつつ、バランスの取れた説明を心がけると、より効果的にニュースへの興味を伝えられます。
自分の意見や考えを述べる

自分の意見や考えを述べる際は、客観的な事実と個人的な見解を明確に区別することが大切です。聞き手に自分の考えが伝わりやすくなるためです。具体的には、以下のような点に注意して意見を述べましょう。
- 複数の視点からの考察
- 具体的な根拠や事例
- 自分の経験や知識との関連付け
- 社会や業界への影響
将来の展望や課題についても触れると、より深い洞察力を示せます。自分なりの解決策や提案を述べるのも効果的です。意見を述べる際は謙虚な態度を忘れないようにしましょう。相手の立場や意見も尊重する姿勢を示すと、より建設的な対話につながります。
簡潔かつ論理的に意見をまとめることを心がけてください。聞き手に自分の考えがより明確に伝わり、印象に残る発言になります。
まとめ

面接において、最近のニュースは、単なる知識を問うものではありません。最近のニュースを質問された際は、情報感度や社会意識の高さをアピールする絶好の機会です。適切なニュースを選び、自分の考えを明確に伝えることが重要です。
面接官の意図を理解し、1年以内の信頼できる情報源から、志望企業や業界に関連するニュースを選びましょう。社会問題や国際問題、技術革新、経済動向に関するニュースが適切です。
回答する際は、結論を先に述べ、ニュースの概要を簡潔に説明してください。興味を持った理由と自分の意見を明確に伝えると、面接官に好印象を与えられます。